ビジネス関連発明の特許査定率が上昇傾向にあります

わが国特許庁が最近発表したところによると、

ビジネス関連発明の特許査定率(権利取得率)が上昇しています。

2000年ごろには、10パーセントだったのが、最近は70パーセントまで上がってきています。

IoT(インターネットオブシングズ)の傾向になってきたのが、一つの要因であろうと考えます。

コンピュータと、物とのからみで新しいビジネスがどんどん生まれていると考えられます。

以前、拒絶が多かった頃には、コンピュータ抜きでもできるビジネスをコンピュータで表現しただけのものが拒絶されていたという傾向がありました。

IoT ビッグデータ 人工知能

新しい時代のキーワードが見えてきています。

 

https://www.jpo.go.jp/seido/bijinesu/biz_pat.htm

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地域ブランドも特許の時代に

政府がすすめる地方創世の波にのり、全国各地で地域のあらたな名産品開発が活発化している。地域産品といえば、「地域ブランディング」や「地域団体商標」といった言葉が先行して聞こえてくるが、農林水産物のブランドでは、実際には、農林水産省が担当する「地理的表示保護制度」や種苗の「育成者権」と、特許庁が担当する商標・意匠・特許の双方が関係し、地域ブランドの推進にはそれぞれの知的財産保護や戦略が必要になってくる。

そんななか、特許庁と農林水産省が協力し、平成28年10月から、各都道府県に設置している知的財産総合支援窓口[=(独)工業所有権情報・研修館が所管]に於いて、地理的表示保護制度や種苗の育成者権についても相談受付をスタート。制度や所轄省庁の壁を超えた知的財産サービスが始まっている。

また最近の傾向として挙げられるのが、特許の取得だ。田辺市とJA紀南は、インフルエンザウイルスを抑制する梅酢ポリフェノールを共同出願。和歌山大学食農総合研究所の協力で実現したもので、いったん拒絶査定になったものの、不服審判で審判官面接して登録に持ち込んだそうだ(特許第6049533号)。請求項1では 「 梅酢ポリフェノールを有効成分として含み、クエン酸を含まない抗ウイルス剤」 と非常にシンプルで広い権利範囲。 地域の名産品で健康増進効果もありとなれば、商品価値は非常に高くなりそうだ。

 

食品の用途特許に注目

 

こうした健康食品の特許取得の背景になっているのが、2016年4月に運用が開始された食品の用途特許に関する審査基準の改定(緩和)だ。生鮮食品を除く機能性表示食品やトクホなどの加工食品が対象で、従来、用途限定の記載として認められなかったものが認められるようになった。 例えば「成分Aを有効成分とする二日酔い防止用茶飲料」 「成分Bを有効成分とする歯周病予防用グレープフルーツジュース」 など、有効成分の発見に新規性があれば特許となるのだ。

さらに──田辺市・JA紀南では、和歌山信愛女子短期大学に研究協力をあおぎ、介護食用に“種も皮もない梅干し” を開発し製法特許を出願中。食事意欲を増進させ、唾液量がふえることで口腔内を清潔に保つことにつながるのだそうだ。

JA紀南ではこのほかにも近畿大学や明石酒造(株)、宮崎県などとそれぞれに食品の特許を共同出願している。共同出願というタッグや地域研究機関との連携など、目的ごとのコンソーシアム(共同事業体)体制が見えてくる。ライセンス提供となればその仕組みづくりや運用も必要。コーディネータの存在もいっそう重要になってくるにちがいない。

 

  • 特許業務法人プロテック:プリント版『ちざいネタ帖』(2017/04/03)より