特許庁データベースが使えないときの代替手段

システムのメンテナンスなどで、特許庁データベースJ-Plat-Patが使えない場合の、代替の検索手段をご紹介します。

特許
espacenet(無料) 欧州特許庁検索サイト。日本語可。
https://worldwide.espacenet.com/advancedSearch?locale=jp_EP
WIPO SEARCH(無料) 国際事務局検索サイト。日本語可。
https://patentscope.wipo.int/search/ja/structuredSearch.jsf
JP-NET(有料) 
https://www.jp-net.jp/

商標
TM-View(無料) ASEAN諸国の商標検索サイト。日本国を指定して検索可能。
https://www.tmdn.org/tmview/welcome#
BRANDY(有料) 従量料金制。一部無料機能(BRANDY ZERO)あり。
https://www.thomsonbrandy.ne.jp/index.pl

 

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色商標、一枚上を行く使い方

2016年からスタートした新タイプの商標登録制度。その中でも色彩のみからなる商標(以下、色商標と略称します)は、審査に時間がかかっているようです。数百件の出願の中で、現在、下記の2件のみが登録となっています。

 

 

 

 

ファミリーマートも下記の色商標を出願しています。

 

 

 

セブンイレブンの色商標も、ファミリーマートの色商標も、長年使われてきて消費者にはお馴染みの色商標です。

実際に店舗での色商標の使われ方を観察してみると、ファミリーマートの方が一枚上手の使い方をしています。詳しく見てみましょう。

色商標の使い方【初級編】

 

 

 

 

 

店舗の装飾や看板に使います。お客さんは遠くからでもお店をすぐに認識できます。

 

 

 

制服の胸にワンポイント。これもお客さんの目に止まりやすいですね。

「ファミリーマート」、「Family Mart」という文字商標を使用しなくとも、お客さんが瞬時にブランドを認識できるのが色商標の最大のメリットです。

色商標の使い方【中級編】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファミリーマートの自社ブランド製品です。「Family Mart collection」の文字がなくて3色ストライプだけだったとしても、お客さんは安心して商品を購入するでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

「FAMIMA SWEETS」とありますが、あまり目立ちません。3色ストライプの方が商標として機能しているように見えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはメーカー商品ですが、3色ストライプに「限定」の文字。ファミマ限定商品であることが分かります。どういうことかと思ったら、ファミチキに合うハイボールだそうです。

このように、色商標は言葉を要さずに消費者にブランドを認識させるものです。

色商標の使い方【上級編】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

商品の荷台です。
本来、お客さんに見せるべきものではありません。商品の補充をする時以外は、お店のバックヤードに隠しておくべきものです。
このように本来お客さんの目に触れるべきではない、でもどうしても触れてしまうことがあり得る、そういったものにも色商標を使用するのです。

ここまで徹底しているファミリーマートは流石だと思いました。

そっくりコメダ。改築して和解

おしぼりやコーヒーをテーブルまで店員が運んでくるフルサービス、家庭にいるようなインテリアで人気の「珈琲所 コメダ珈琲店」(株式会社コメダ)。セルフサービス型カフェの出店が頭打ちといわれるなかで、この10年で2倍以上の店舗数を達成(739店舗2017年2月現在)、全国津々浦々ですっかりおなじみの喫茶店となっている。

そんなコメダ珈琲に、和歌山県の外観も内装そっくりの「マサキ珈琲中島本店」(株式会社ミノスケ)に対し(株)コメダは申し立てを行い、2017年12月には、東京地方裁判所により使用差止と損害賠償を求める仮処分命令が発令。本案訴訟の審理の行方が注目されていたが、この7月5日、マサキ珈琲が全面的に改築し、和解したことがニュースで伝えられた。報道発表によれば、仮処分決定後、ミノスケは異議を申し立てることなく店舗を一時休業。改装して現在は営業を続けているそうだ。

今回の係争の法的根拠となっているのが、不正競争防止法であることに留意する必要がある。製造業やIT企業であれば技術やビジネスモデルの特許等でカバーできるが、飲食店の場合は、店名の商標登録が主で、「いきなり!ステーキ」のサービス提供システムや「ふわとろたまごのオムレツ(容器入りオムレツ様食品)」(特許第4457997号/カナエフーズ)のレシピ等、特許例はあるものの、一般的にはハードルが高い。不正競争防止法では競業秩序の維持を目的とする一般法としての位置づけから、外観や内装、制服等にも、混同や誤認を生じる範囲が及び、損害賠償や使用差止の対象になったわけだ。

 

モーニングまでそっくり!

 

係争の経緯について仮処分命令をみると、(株)ミノスケは(株)コメダのフランチャイズに加盟申請をしていたが、諸般の事情で加盟がかなわなかった。その後、ミノスケが開店した「マサキ珈琲」は、コメダ珈琲の郊外型店舗に似たログハウス風外観やウッディなインテリア、食器デザインのほか、コメダ珈琲で人気のモーニング、デニッシュパンのシロノワールなどのメニュー内容も酷似。さらにいえば、メニューデザインのレイアウトまでがそっくりというものだった。

(株)コメダでは、係争中の2016年2月、郊外型店舗の外観デザインを立体商標出願し5月に登録になった(登録第5867027号)。コメダ珈琲のフランチャイズでは、開業資金の多くが建設費に費やされるというが、脱退の際に建築物のデザインがどう扱われていくのかは、少々気になるところでもある。

余談だが、(株)ミノスケはもともとゲーム会社で、男性デュオのコブクロの所属事務所でもあるそうだ。

 

特許業務法人プロテック プリント版ちざいネタ帖 Vol.24 2017/08/04より

 

[参考]

(株)コメダホールディングス:仮処分命令の発令に関するお知らせ(平成28年12月27日 )

サルの自撮り写真の著作権めぐる訴訟、著作権は写真家のものに

米国カリフォルニア州で、野生のサルが自撮りした写真について、撮影者であるサルに著作権が認められるか否かを争っていた裁判が終結しました。動物愛護団体が「この写真の著作権はシャッターを押したサルにある、無断使用している写真家(カメラの所有者)はサルの著作権を侵害している」として写真家に対して訴訟を提起しました。写真家は「著作権は自分にある」と反論しました。

そもそも、サルが自撮りした写真は『著作物』なのか?著作物であれば、生まれた時点で創作者に著作権が発生します。
写真なら何でも著作物になるというわけではありません。ただ漫然と撮った写真には著作物性がないこともあります。著作物性があると言うためには、創作性が発揮されていることが必要。被写体の選択、構図、ライティングなどを総合して見て、創作的な表現と認められるものが著作物となります。この創作的な表現には、撮影者が意図しない、偶然のシャッターチャンスを捉えたようなものも含まれると、一般的には解釈されています。

それでは、この写真の場合はどうか。サルはカメラの何たるかを全く知らずにシャッターボタンを押してしまい、偶然に創作的な表現となる写真が撮れてしまった。著作物性はあるのか?このサルに著作権が発生するのか?

約2年間にもわたる訴訟は、両当事者が和解することで終結しました。和解内容は、「著作権は写真家に帰属する。写真家はこの写真による収益の一部を動物保護団体に寄付する」というものです。著作権がサルに帰属し得るのかという論点についての裁判所の判断は明らかにされませんでしたが、サルに著作権を認めるのには否定的だったものと和解内容から推測されます。

AI(人工知能)技術が急速に発展する昨今、AIに文章や図画、音楽などの制作をさせる試みも行われています。このようにAIが生み出した著作物の権利主体は、コンピュータとなるのでしょうか?法廷でそういった争いが繰り広げられる日も遠くないのでしょう。

サルの自撮り写真の著作権めぐる訴訟、写真家が勝訴(※正確には和解です)
http://www.bbc.com/japanese/41237082

懐かし需要で日本ブランド復活♪〜aiwa物語

aiwa(アイワ)ブランドの栄枯盛衰

1968年、日本発のラジカセを発売したオーディオ・ブランド「aiwa(アイワ)」。ソニーがウオークマンを発売した翌年の80年には、世界最小・最軽量、世界初の録音・再生が可能なヘッドホンステレオ「カセットボーイ」を発売して大きな話題に。
先端的音響技術が評価され、マニアックなフアン心理をくすぐったりもしたが、なんといっても、aiwaの名を当時の若者に印象づけたのがその価格帯だった。有名メーカーの製品に手が届かない人でも買える割安感で、庶民派ブランドとして深く広く浸透していったのだ。

そのaiwaブランドが、2017年秋以降、復活するというので、40代後半〜60代のオヤジたちの間でちょっとした話題になっている。復活の目論見は、そうした「懐かし」需要の喚起と、その年齢ならではの購買力で、子どもや孫へのプレゼント需要をも狙ってのことらしい。

aiwaブランドの歴史をひもとくと、2000年代に入り、デジタル化・IT化の波に乗りきれず、2002年に資本提携先だったソニーが買収し、aiwaブランドでのオーディオ機器販売を続けたものの、なかなか軌道に乗らず、2008年に生産は中止になっていた。

日本発ブランドの価値

今回、aiwaブランドの復活が可能となった契機は、休眠ブランドの獲得・再活用事業を行うリバー・ウエスト社(シカゴ)が、ソニーからアメリカでのブランドを購入したことにある。同社からサブライセンスを受けたハードウエア企業のスタートアップ支援ファンドが、aiwa商標を米国で出願、2015年2月に登録となり、4月からすでに本格的に製品展開。
さらに、日本では、EMSメーカー「十和田オーディオ」(秋田県小坂町)がaiwaブランドの使用権を取得し(商標権はソニーが所有)、17年に子会社としてアイワ株式会社を設立した。つまり、国境を超えた国際的コンソーシアム(協業)によって、aiwaブランドの復活が叶ったというわけだ。

ちなみにaiwaブランドは、日本国内ばかりでなくすでに国際的なものだという。例えばアラビア語エジプト方言で「アイワ」はイエス(はい)という意味で、ソニーよりも知名度が高いとか。中国語では「愛華」と表記し、Ai Huaの発音は中国を愛するという意味を含むそうだ。

新生アイワ株式会社では、旧アイワのもっていた大手メーカーに比肩する技術開発力、そして買い求めやすい価格という、長年培ったブランドの価値そのものを引き継ごうとしている。かつてのロゴの復活もその姿勢のあらわれであり、スタッフには旧アイワ出身者も登用している。9月からCDラジカセ、4Kテレビ、ブルートゥーススピーカーの発売がはじまる。オヤジ世代には何とも楽しみなのである。

特許業務法人プロテック
プリント版ちざいネタ帖Vol/23(2017/7/10)より転載

一枚上を行く商標戦略-資格・検定ビジネス編

山形県の川西町が町産の紅大豆をPRするために「マメリエ」という商標を登録しました。郷土の豆料理を広く知らしめるなど町おこし活動を展開しています。

豆のソムリエ「マメリエ」を商標登録 川西町産をPR /山形
https://mainichi.jp/articles/20170607/ddl/k06/040/034000c

「ソムリエ」に倣った「○○リエ」という商標は、以下のような登録例があります。

ソバリエ 小嶋屋総本店
酢ムリエ オークスハート
ハムリエ プリマハム
タビリエ JTB
シネリエ 松竹
カラリエ 花王
米リエ オギハラ工業
コンクリエ 太平洋セメント
マドリエ LIXIL
飲ムリエ ぐるなび
ネムリエ 丸八真綿
漢ムリエ タキザワ漢方廠
タオリエ 西川産業
ラヂムリエ 三朝温泉旅館協同組合

なかなか面白い造語商標ですね。
しかし、面白い造語で商標登録ができた、と喜ぶだけで終わってしまっては宝の持ち腐れになります。

本来の「ソムリエ」の意味=ワインについての豊富な知識を持ち、レストラン等で客の要望に応えてワインを選ぶ手助けをする専門職=を考えれば、「○○リエ」商標の活用方法のヒントが得られます。

おそらく消費者は、「酢ムリエ」に相談すれば好みにピッタリあった酢を提案してくれる、「シネリエ」が紹介してくれる映画はまずハズレがない、といったことを期待するでしょう。

このように、人々が「○○リエ」商標に信頼を寄せるとき、商標の「品質保証機能」が全面的に発揮されています。

商標の基本的な使い方は、商品・サービスのネーミングとして使用することですが、より上手な商標の活用方法のひとつがこの「品質保証機能」を発揮させることなのです。

一般社団法人 日本野菜ソムリエ協会(http://www.vege-fru.com/)は、商標登録「野菜ソムリエ」(登録4957386号)を持ち、飲食関係者向けに「野菜ソムリエ」の資格制度を実施しています。協会の講座を受講し検定試験にパスした人は、「野菜ソムリエ」を名乗ることが許されます(つまり、商標の使用が認められる)。

健康志向の消費者、野菜を美味しく食べたい消費者は、数ある飲食店や小売店の中から「野菜ソムリエ」の看板を掲げるお店を選んで利用するでしょう。協会の資格制度によって「野菜ソムリエ」の品質が保証されているので、消費者はこれを信用してお店を利用することができます。そういった信用が蓄積することで、商標「野菜ソムリエ」の価値がどんどん上がってきます。そうすると、より多くの人が「野菜ソムリエ」の資格を取得しようということになります。

商標使用によって、商標権者(協会)、商標使用者(お店)、消費者の3者共が利益を得られる構造ができています。これが一枚上を行く商標の活用方法です。

弊所クライアントでも、商標を上手に活用して資格・検定ビジネスをされている例があります。

■終活マイスター(登録5722725号)
一般社団法人日本終活マイスター協会
https://www.facebook.com/shukatsum/

「終活マイスター」は、人生の終わりの段階で、老後の憂いなく残されるであろう家族が心配なく諸事にあたれるよう、生前に対策を打つためのアドバイスを行う専門家です。

■腸トレ(登録5706053号)
一般社団法人腸トレ協会
http://cho-tre.com/index.html

「腸トレ」認定セラピストは、腸の中と外から働きをかけて健康な腸を取り戻し、便秘解消・美肌・ダイエットなど、身体の内側からの健康増進をサポートします。

商標を自分のものと思い込まず、他人に上手に活用させる仕組みを作れば、より大きな利益が得られます。

ベッカム家の商標戦略

イギリスを代表する元サッカー選手、デヴィット・ベッカム。妻でタレント出身のヴィクトリアや子どもたちともども、世界的に注目されるセレブファミリーだが、ヴィクトリアが5歳の愛娘の名前「ハーパー」を商標登録したと話題だ。

英国地元紙によれば、すでに長男のブルックリン、次男ロメオ、三男クルーズの名前を2016年に商標登録。デヴィット自身は2000年に、ヴィクトリアは2002年にすでに商標登録されており、これで家族全員の名前が登録されたのだそうだ。

タレント活動をする分においては、その名前は、パブリシティ権という著作権の一種で保護され商標出願の必要はないから、今後、子どもたちの名前を冠したブランド開発など、何らかのかたちで事業化を考えているのだろう。知的財産をなりわいとする者としては、気になるのが、その出願内容。名前がどんな出願内容なのか、調べてみた。

商標の名称は「HARPER BECKHAM」。出願区分は、3類=化粧品・香料、せっけん、9類=電気製品・プログラム、16類=印刷物、18類=かばん・傘、25類=服・靴、28類=玩具のほか、41類=教育・イベント・スポーツの7つの区分。今後、玩具や子ども服などのブランド展開のほか、音楽や映画、TVなどのコンテンツ名に娘の名前を冠して事業化するのではないかという予測ができる。

 

権利は各国に及ばない

 

しかしながら、ハタからみると「?」な部分もないわけではない。この出願そのものが、欧州連合知財財産庁への出願登録(単一の出願でEU加盟国すべてに自動的に権利が発生)である点。イギリスがEU離脱となれば、各国での権利はどうなっていくのか。もちろん、米国や日本などEU加盟国以外ではいまのところ出願も登録もされていないのがなんとも不思議なところ(2017年4月末現在)。もし、あなたがその名称で事業化を考えているなら、まだ間に合うってこと。

ちなみに商標の国際出願については、マドリッド・プロトコル(標章の国際登録に関するマドリッド協定の議定書=通称マドプロ)という国際登録制度がある。これは、本国で出願・登録されている商標を基礎として、指定締約国へ権利保護を拡張することができる制度。外国商標の一元管理が可能であるほか、現地代理人への費用が節約できることなど、メリットも大きい。加盟国数は98ヵ国(2017年3月現在)。アジア地域での加盟は未だ少ないものの今後も増加することが期待されている。

商標の国際出願については助成金もある。詳しくは、どうぞお尋ねください。

*特許業務法人プロテック プリント版『ちざいネタ帖 Vol.21』(2017/05/8)より

地域ブランドも特許の時代に

政府がすすめる地方創世の波にのり、全国各地で地域のあらたな名産品開発が活発化している。地域産品といえば、「地域ブランディング」や「地域団体商標」といった言葉が先行して聞こえてくるが、農林水産物のブランドでは、実際には、農林水産省が担当する「地理的表示保護制度」や種苗の「育成者権」と、特許庁が担当する商標・意匠・特許の双方が関係し、地域ブランドの推進にはそれぞれの知的財産保護や戦略が必要になってくる。

そんななか、特許庁と農林水産省が協力し、平成28年10月から、各都道府県に設置している知的財産総合支援窓口[=(独)工業所有権情報・研修館が所管]に於いて、地理的表示保護制度や種苗の育成者権についても相談受付をスタート。制度や所轄省庁の壁を超えた知的財産サービスが始まっている。

また最近の傾向として挙げられるのが、特許の取得だ。田辺市とJA紀南は、インフルエンザウイルスを抑制する梅酢ポリフェノールを共同出願。和歌山大学食農総合研究所の協力で実現したもので、いったん拒絶査定になったものの、不服審判で審判官面接して登録に持ち込んだそうだ(特許第6049533号)。請求項1では 「 梅酢ポリフェノールを有効成分として含み、クエン酸を含まない抗ウイルス剤」 と非常にシンプルで広い権利範囲。 地域の名産品で健康増進効果もありとなれば、商品価値は非常に高くなりそうだ。

 

食品の用途特許に注目

 

こうした健康食品の特許取得の背景になっているのが、2016年4月に運用が開始された食品の用途特許に関する審査基準の改定(緩和)だ。生鮮食品を除く機能性表示食品やトクホなどの加工食品が対象で、従来、用途限定の記載として認められなかったものが認められるようになった。 例えば「成分Aを有効成分とする二日酔い防止用茶飲料」 「成分Bを有効成分とする歯周病予防用グレープフルーツジュース」 など、有効成分の発見に新規性があれば特許となるのだ。

さらに──田辺市・JA紀南では、和歌山信愛女子短期大学に研究協力をあおぎ、介護食用に“種も皮もない梅干し” を開発し製法特許を出願中。食事意欲を増進させ、唾液量がふえることで口腔内を清潔に保つことにつながるのだそうだ。

JA紀南ではこのほかにも近畿大学や明石酒造(株)、宮崎県などとそれぞれに食品の特許を共同出願している。共同出願というタッグや地域研究機関との連携など、目的ごとのコンソーシアム(共同事業体)体制が見えてくる。ライセンス提供となればその仕組みづくりや運用も必要。コーディネータの存在もいっそう重要になってくるにちがいない。

 

  • 特許業務法人プロテック:プリント版『ちざいネタ帖』(2017/04/03)より

 

 

商標王トランプ政策のこれから

 

トランプ米大統領の就任に伴い、米国内及び周辺諸国はもとより、外交政策や世界経済の動向が注視される昨今──。

われわれ知的財産業界にとっては、なんといっても注目されるのが米国のTPP(環太平洋パートナーシップ)離脱の行方だ。著作権法など知的財産関連改正法案は、TPPが日本国について効力を生じる日が施行日とされるが、12ヵ国すべてが国内手続きを終えるか、12ヵ国のGDPの85%以上を占める少なくとも6ヵ国が手続きを終えることが要件で、米国のGDPはTPP加盟国の6割を占めるため、TPPが発効する可能性は実質的になくなってしまう。

またオバマ政権下での米国特許商標庁の長官は、元グーグル社の特許弁護士だったが、シリコンバレーと何かと反りの悪いトランプ政権下では、医療・化学系特許弁護士へのチェンジもうわさされている。

とはいえ、共和党の政策(2016年)では、「知的財産を保護することは国家安全保障問題のひとつ」と明記されているほか、(特に中国など)「侵害者に対する強い措置」が謳われている。発明家を叔父にもつトランプ氏は、特許政策に強い関心をもっているといわれる。矛盾が指摘されがちなトランプ氏の政策であるものの、知的財産においても攻めと守りのバランスが課題になってくるにちがいない。

 

選挙スローガンも商標に

 

2017年1月初旬に届いた米国特許取得ランキング(2016年)では、米国企業が約3万3000件(全体の41%)と最多であるものの、日本企業が約2万3000件(同28%)、韓国企業が約1万2000件(同15%)。企業別では1位は米IBMで、日本企業ではキヤノン、ソニー、東芝、トヨタ自動車、パナソニックIPマネジメントなど8社が、トップ25にランクインしている。アメリカファースト政策下ではどうなっていくのか、まったく未知数でもある。

ところで、ビジネスマンでもあるトランプ氏は、個人名義で「TRUMP」「TRUMP TOWERS」など320件の商標を出願・登録し、すでにマネタイズ(収益化)に結びつけているそうだ。選挙スローガン「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」(アメリカを再び偉大に)も、80年にレーガンが使いはじめた言葉だが、米国で商標登録(登録第5020556号)。Tシャツなど選挙グッズのほかに、政治運動にかかるサービス等の区分でも権利取得している。

一方、中国では、トランプ氏と関係のない企業が商標「TRUMP」を登録しているそうだ。トランプ氏のキャラクターを活かして、中国の模倣品、冒認出願にどこまで強い態度で臨んでいくか──われわれも当分トランプ氏から目が離せそうにない。

 

  • 特許業務法人プロテック プリント版ちざいネタ帖 18 2017/2/7より